Vivienne Westwood風の着物を縫ってみた

KIMONO

20代のころから大好きなブランドVivienne Westwood。
ヴィヴィアンのPUTTIシリーズをモチーフにした着物を作ってみました。

puttiシリーズを着用するヴィヴィアン

今回は無地のサテン生地にプリントするところからスタート。
フランソワ・ブーシェの画像をこちらのサイトからDLさせてもらいました。
パブリックドメインQ:著作権フリー画像素材集 

型紙を配置しながらプリント位置を決めてデータを作ります。

特に袖と上前の部分にくる柄は要なので慎重に配置を考えます。
出来上がったデータをプリント屋さんへ入稿し、預けておいた生地にプリントしてもらいます。
生地の購入、プリントも日暮里繊維問屋街が強い味方。
サテン生地は安っぽさがでないように少し厚めのものを「トマト」で購入。
プリントはトマトからほど近い「A-TEXTILE」でお願いしました。

プリントが仕上がったら裁断していきます。

ここで失敗はできないので、これでもかというくらい最大限の集中力で。
念のため事前に作っておいた紙の設計図で確認しながらカットします。

「うまくいけばこんな風に仕上がるはず」と想像しながらチョキチョキと。

着物はほぼ直線縫いなのでミシンでもOKです。
袖口や裾は手縫いにしましたが、他の部分は私もミシンで仕上げました。

そしてこちらが完成品。

写真だとうまいことグラデーションのピンクと水色が表現できないのが残念なのですが、
実際はピンクの夕暮れのはじまりみたいな感じです。

柄の配置は思った通りにできました。
袖の柄をポイントにしたかったので中振袖の長さにしました。
ただ生地がほんのちょっと厚かったかな~って思ってますが、おおむね成功。
ポリエステルなので洗える利点もあり、天気を気にせず着られるのもポイント。
派手なのか地味なのか不明なところも着回しが効いて気に入ってます。

作成時期:2022年7月
作成期間:約1週間
サテン生地:4メートル購入 約4,800円
プリント代:9,900円

ヴィヴィアンは2022年の12月29日にこの世を去りました。
明けて30日の朝、私は自分の誕生日の朝にこのニュースを知って一瞬にして悲しく冷たい一日になりました。

しかし、ヴィヴィアンが残した作品や思想はしっかり染みついているので大丈夫。
生前、「ファッション通信」のインタビューで応えた芸術についての考えが素晴らしいので紹介します。

ファッションとは応用芸術であり伝統工芸です。この点においては他の純粋芸術と何ら変わらない。
すなわち芸術において過去を否定することはインスピレーションも技術的水準も断ち切ることよ。
過去なんてもはや重要ではない、過去なんか忘れ去るべきものだという風潮は危険なのよ。
ファッションにおいても人間の英知が生んだ過去の作品作りの技術を断ち切ることは避けたいわ。

「ファッション通信 SUPER COLLECTION SPECIAL VIVIENNE WESTWOOD」

古きよきもの、着物もまたそのひとつ。
無心で縫物するっていう時間の過ごし方もたまにはいいものですよ。

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