2025年10月25日 19時15分 土曜日の銀座でそれは現実となったのです。
「眠れない夜は 屋上にのぼって 風に尋ねてるんだ 〜」
と、岡村ちゃんが銀座のビルの屋上で歌ってくれたのです。
途中、風のいたずらでステージの天井部分のビニールシートから溜まった雨水がかたまりになって落ちてくるような場面もありましたが、雨も落ち着いて当初の予定通りに屋上での開催を決断してくれたBRUTUS編集部のみなさまの英断に感謝。
少し肌寒いくらいで我慢の必要のない湿った銀座の夜の屋上で、これからはじまるステージに期待が高まります。
前半、優河さんの透き通るアコースティックな世界を堪能しながら、曲のモチーフになったという祖母のことをわたしも思い出したりしつつ、会場で提供された白ワインを堪能。すっきりしてて美味しい。
晴海通りをはさんで向かいの不二家のネオンサインが、ここは銀座の屋上であることを実感させます。

会場のGinza Sony Parkは50代の私には「ソニービル」という名称のほうが馴染み深い。いまはPLAZAですけど、わかっていたとて「ソニプラ」って言っちゃうし、ネーミングライツで名称が何度も変わるあそこのことは渋公って言った方が話が早いみたいな。ちょっと違う?
とまあ、かつてのソニービルの屋上がステージだったんですが、開演前の挨拶でBRUTUSの編集長さんが「Ginza Sony Parkとして生まれ変わるビルを内覧したときに、ビートルズのGET BACKみたいなことをしたいと思った」という言葉のとおり、銀座の街を巻き込んだ企画は大成功だったんじゃないでしょうか。Ginza Sony Parkに馴染みたい50代としては、またライブを企画してもらって訪れる機会が増えたらうれしいです。
さて、観客は抽選で当選した100人のみということで、いつものライブのようにギチギチにはならないだろうと思ってはいたものの想像を遥かに超えるゆったり空間。
パーソナルスペースが広い広い。人酔いする私にとっては天国のようなライブ会場。観客30人弱のshelterって言えば伝わります?
そんなゆったりたっぷりの〜んびりな空間にオンタイムで現れた岡村ちゃん。
背後にエルメスビルを背負っても引けをとらないスタイリッシュさ。
年齢を重ねるごとに増すダンディズム。
反面、変わらぬキレッキレのデンスで瞬時に100人の観客を魅了。
赤いシャツの岡村ちゃんに注ぐ黄色い声援。
会場のスタッフさんたちの仕事モードが一気に崩壊するのを私は見逃さなかったですよ。
あまりそういう場面を見たことがなかったので新鮮でした。
岡村ちゃん出てきたらそりゃそーなるよね。わかるわかる。
ラブソングが主体の企画だったため、セットリストはさまざまなラブソングの形を示してくれるものでした。
1)できるだけ純情でいたい
2)揺れるお年頃
3)彼氏になって優しくなって
4)19(nineteen)
5)イケナイコトカイ
6)愛はおしゃれじゃない
7)あの娘ぼくががロングシート決めたらどんな顔するだろう
8)だいすき
en)Feel Like Makin’ Love(cover)
「イケナイコトカイ」の屋上にのぼって〜のくだりで高まり、あのロンのイントロでキュンとして、だいすきのターン&ステップに身惚れ、いったいどこまで私たちを魅了するのか岡村靖幸という人は。
しっとりとした秋の夜をしめくくるアンコールに「Feel Like Makin’ Love」をもってくるセンスにもくらくらしちゃいます。

『彼氏になって優しくなって』に入る前だったと記憶してますが、普段なら聞こえないであろう咳払いのような声にならない声が聞こえるほど近い。
吐く息の白さと、その温もりさえ伝わるくらいに、すぐそこに岡村靖幸がいる。
1日経って冷静に考えると、あの場にいた自分の今のラッキー残高はゼロ。いや、むしろマイナス。
これから張り切って善行しなければ、この先ラッキーに無縁の人になってしまいます。がんばってみます。
そういえば2012年にも同じくらい近くに岡村ちゃんがいたことがあったなぁと、記憶を北海道に飛ばした帰り道。
ライジングサンロックフェスティバルで岡村ちゃんのTシャツをデザインさせてもらったとき、出番直前ステージへ向かう岡村ちゃんの後ろ姿にくぎづけになってたところ、急に立ち止まり華麗なターンで振り返ったあの一瞬。夕陽を背にした岡村ちゃんの表情は逆光でよく見えなかったけど、まさに時が止まったような瞬間でした。
もう13年も前の北海道の記憶と今回の銀座の記憶、良き思い出が更新されました。

そんなすっばらしい企画の協賛は「AUGER」という、あの刃物で名高い貝印さんの新ブランド。
わたし、貝印の爪切りを30年以上愛用してます。信頼の日本製。大袈裟でなく一生使える。

帰りにお土産までいただいて、もうどこまで太っ腹なんだと。だいすき貝印。

計算ちがいの秋雨と
エルメス越しに
秋納め
まさに現代のGET BACKを体感させてもらった『BRUTUS LOVE SONG NIGHT with AUGER』
会場にはカメラも入っていたのでいつか映像を観られるかもしれないと思うと、待つ楽しみで心が満たされます。
あらためて、ありがとうBRUTUS。
